最近、オンライン飲み会というのが流行っているらしい。酒やおつまみを自分で用意して
パソコンやスマホを使って自宅から仲間たちと動画通話をする。これが思いのほか楽しくて
飲んべいの間で好評だと聞く。ところが残念ながら、ケンタク兄にはその楽しみを味わうこ
とができない。なぜって、ビールひと口で、目が回ってしまうほどの下戸だから。俗にいう
男の三興(飲む、打つ、買う)の一番目をまだ知らない。
今夜のつぶやきは、この下戸について。
昔のことわざに「下戸の建てた蔵はなし」というのがある。大酒飲みの「上戸」が身上を
つぶして蔵が建たないというなら話はわかるが、酒が飲めない「下戸」が蔵を建てられない
とは、いささか腑に落ちない。
そこで調べてみると、この上戸、下戸、兼好法師の『徒然草』にも登場し、庶民を財産に
よってランクづけする言葉であることがわかった。一言でいえば金持ちが「上戸」、貧乏人
が「下戸」。そのランクによって、婚礼の席に出す酒の量を、上戸は八瓶、下戸は二瓶と厳
しく制限されていたというから、何たる差別!もっとも、酒を二瓶出されても吞めないんだ
から、ありがたくもなんともない。
ただ、この諺は当たっていることは認めよう。いまだに蔵は建ってないのだから。
5月20日 多
1. 無題