コロナ自粛の間のせめてもの暇つぶしの足しにでもなればとの思いから、あれこれとつぶや
いたこの「かわりないですか」シリーズ、自粛のしばりが、すこしだけ緩んだのを機に最終章
としたい。
締めくくりのつぶやきは、はじめお堅く、だんだん艶っぽく。
コロナウイルスが収束したあと、わたしたちの生活スタイルに大きな変化が起こるだろうと
いう識者の見方がある。働き方、教育、地域活動、人と人の関係など、暮らしのあらゆる面で
見直しがされる。という見立てだ。さて、どのように変わっていくのか予測するのは難しい。
言えることは、ライフスタイルを変えるなら、人の意識も変える必要があるということ。
ところが、この「意識改革」というのは、一筋縄ではいかない代物でやり遂げるには相当の
力がいることは、衆知のとおり。その昔、意識改革の領域の仕事に携わった経験則からすれば
小手先の改善レベルではなく、根本的に大きく変えることが成功の秘訣ということ。
そこで、思い出したのが、もう、30年ほど前に発表され、国際社会に大きな反響を巻き起
こした『文明の衝突』という著書。その内容は、世界をキリスト教圏、イスラム教圏、中華文
明圏などに分類したが、その中で日本は、どの分類にも属さず、日本一国でひとつの文明圏で
あるとの論を展開した。長い歴史の中で培われてきた日本の持つ価値とは、他の地域と比べて
も個性的でありユニークなものである。それは、外からみれば非常に神秘的なものに映る。と
いう内容。この論のキーワードは、
〇長い歴史の中で培われた日本の持つ価値。
〇個性的でユニークなもの。
〇非常に神秘的。
ということ。どうやら、このキーワードに意識改革の原点がありはしないか。すこし飛躍した
考え方をすれば、日本人としてのアイデンティティを取り戻すことではないか。そんな気がす
る古いタイプのケンタク兄なのであります。
おっと、なにやらお堅くなりすぎたかな。飛躍したついでにいえば、大和魂と大和なでしこ
の心を取り戻し、その魂と心を大事にした生き方をしようよ、と言いたいのです。
締めくくりに、軟らかい艶文を。
京都は、日本の古都として世界的にも有名である。あるとき、ニューヨクのビジネスマンが
京都を訪れ、花街探訪をした。ニューヨークに戻った彼は、そのときの体験を友人たちに自慢
した。
~そこは、日本で一番といわれる花街だった。まず部屋に通されると、「タタミ」の上に「フ
トン」が敷いている。部屋のなかは神秘的な香りに包まれていてね、独特の楽器の音色が少し
だけ耳にとどいてくる。まったく、ニューヨークでは体験できないことばかりだったな~
彼は、なおも続けて、
~やがて、「キモノ」を着た女性が部屋に入ってくる。顔を白く化粧していて、これが何とも
ミステリアスなのさ。それから彼女は「サケ」を注いでくれてね。そのあとで一緒に「フト
ン」に入るんだ。ほんとうにニューヨークでは絶対に味わえない体験さ~
~それで? そのあとはどうなった?~
友人たちは鼻息荒くそう聞いた。彼は言った。
~そのあと? そのあとはニューヨークと同じだったよ~
おそまつ。
1. 無題