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昔、むか~しの話 5
新学期3日目の授業は午前中で終わり。長髪と二人できのう案内された卓球部の部室に直行します。
グラウンドの南側にスレート葺きの長屋づくりです。野球部、バレー部、剣道部、柔道部‥と10種類以上
の運動部の拠点です。卓球部はテニス部の隣。~オッスと声かけて中に。すでに7,8人が着替えの最中。
長髪はみんなと顔見知りらしく、心得たといわんばかりの手際で着替えにかかります。中学の卓球部で
活躍していたので、卒業してすぐにここの練習に参加を許された身分なのです。それに倣って美少年が
準備を終えたところで、七三、眼鏡など上級生も揃います。もう部室はいっぱいです。
~新入生、前に~七三の声で、15人ほどが横に並びます。眼鏡が名簿を見ながら点呼です。一人ひ
とりの返事に、七三は頷いています。自分と目が合ったとき、大きく頷いたように感じて嬉しい気持に
なる美少年です。続けて眼鏡が、数人に分けて名前を読み上げます。最初の5人は卓球台の準備・片付
け、次の3人は洗濯、残りは球拾いです。美少年は2番目の洗濯係です。~えっ、洗濯~。そうなんです。
洗濯なんです。練習後全員が、汚れたユニフォーム、ショートパンツ、靴下、シューズをまとめて備え付
けの籠に入れて帰るんです。翌日、それを洗濯して、干場に吊るして乾いたら取り込む。汗臭いシャツ
やパンツに混じってときどきサポーターもあります。サポーターとは、キンツリのことです。ぶらぶら
する同じ年のセガレを固定するのに使います。(おわかりかな?)
洗濯当番は、ランニング、うさぎ跳び、素振りのあとは洗濯に掛かり切りです。練習場に行くのは、
卓球台の片付けの手伝いのときだけです。洗剤で洗ったものを手回しのローラーで絞り、水を入れ替
えながらすすいだものを、また手回しで絞る。当時の洗濯機です。それから、ロープに干して乾かす。
多いときは、20,30人分です。手間と時間がかかります。この日はボールをさわることはありません。
これが、1週間に1回くらい回ってきます。洗濯当番の翌日から、顔を見せなくなる新入部員が多いと
いうのを後で知りました。
翌日は、球拾いの係です。練習台は3台。ボールを打つのは、指名された10名ほどの中級・上級者
だけ。新入生は、台の後ろに並んでこぼれてくるボールを拾って返す。ボールを打つことはありません。
これでも、ひとり、またひとりと辞めていきます。やがて1か月ほど経ったころには、新入りの半分以上
がいなくなりました。そのころになって、球拾いをしていると、上級者の休憩中に、七三や眼鏡から声が
かかるようになります。ひと月経ってやっと、手ほどきを受けることができます。ただし、5,6分ほどで
す。休憩が終われば、球拾いに戻ります。でも、その5,6分が嬉しくて、貴重な時間になりました。
美少年は、卓球の参考書を読み漁りました。長髪からのアドバイスももらいました。
でも、フォアハンドも思い通りには打てないまま、1か月が過ぎ去ったのです。
きょうは、これくらいで‥。
次回に続きます。 5月3日 多
1. 無題