母の日
きょうは、母の日。今年は、「母の日」から「母の月」に期間を延長したそうな。うん、
なかなか粋なはからいです。悪さばかりしでかすコロナウイルスのただひとつの善行かも。
じつをいうと、ケンタク兄は毎晩、おふくろさんを思い出しているんです。6畳の和室
に机、書棚、パソコン、プリンター、その他いろいろ‥ここが仕事場、お茶飲み処、それ
に、寐るところでもあります。
夜型人間が眠りにつくのはいつも草木も眠る丑三つ時。押し入れから布団を出してシー
ツをかけるとき、決まって思い出すのが、こどものころに聞いていたおふくろのつぶやき
なんです。~寝るより楽はなかりけり、ごくらくごくらく~と。
昔の母親は、朝は一番に起きて、炊事、洗濯、裁縫、近所付き合い、もちろん子育ても。
夜は夜なべで寝るのはだれよりもあと。疲れた体でようやく横になるとき、しみじみとつ
ぶやく、~ごくらくごくらく~には、こども心にも沁みたものです。
父親が一家の大黒柱なら母親は、それを支える大きな土台の石。おふくろさんよおふく
ろさん、悲しみも喜びも、涙も笑いも、み~んな、みんな内ふところに。そんなあなたを
忘れはしません。ありがとう。
書棚の上に遺影がふたつ。いつもよりちょっとばかり上等の花を供えました。ついでに
隣のオヤジにも。気のせいか、今朝は、やさしそうに見えるおふくろの表情です。
~おとうさん、おばあちゃんに似てきたね~と娘。
~そうか、親子だからな~
写し見る 鏡に親の なつかしさ (作者不詳)
5月10日 多
1. 無題